転職の動機は退職金300万円・・・

【 転職の動機は退職金300万円・・・ 】

以前、クライアント様が職場の同僚Aさんから転職の相談を受けたときの話を聞かせていただきました。

クライアント様の同僚Aさんは、今の職場を10年以上勤めていて、肩書もついています。

年収も極端に悪い方という訳ではありません。

長く勤めていることもあって、働きやすい状況にもなっているようでした。

もし、転職した場合、Aさんの年収はあまり変わりません。

ただ、転職先で退職を迎えると、退職金として300万円貰えるとのことで、それが転職を考える動機とのことでした。

私が率直に感じたことは、退職金300万円貰えるという違いで、長年勤めてきた会社を辞めて転職してしまうんだ・・・という驚きでした

おそらく、新しい会社に勤めることは、その職場に馴染むまで相応のストレスもあるでしょう。

それでも、転職を考えるということは、勤めている会社に対してドライということではなく、生涯、生きていくために300万円の違いは大きい、ということなのでしょう。

人材の流出は、中小企業にとって死活問題です。

10年以上の勤続がある社員に辞められると、その穴を埋めるのは大変でしょう。

以前、私が勤めていた会社が、1年で優秀な社員が4人も転職していきました。

もともと、ギリギリの人員でやっているのが中小企業です。

そこにきて、4人の社員に転職されてしまうと、その後の引継ぎ業務が本当に大変でした。

新規の営業活動が出来なくなり、大幅な売上の減少にも繋がりました。

結果的に、勤めていた会社は倒産することになりました。

本当に大変で辛い経験でした・・・

中小企業の場合、大企業と違って財務力が少ないのが一般的なので、退職金制度も無いことが多いです。

退職金制度があるだけでも、中小企業の中では良い方でしょう。

会社を存続させるために優秀な社員は大事にしたい・・・

しかし、退職金制度などの福利厚生制度を厚くすると、会社の財務力の悪化につながる・・・

なんとも言えないジレンマです。

そのジレンマの中で、優秀な社員を定着させていくために、どうするべきか・・・

これからは社員自身が資産形成していく、それを会社が金融教育として奨励していく、という新しい発想が必要と私は思っております。

私のクライアント様は
『自分は資産形成に取り組んでいるので、老後の生活に不安は無いし、職場のストレスが少々あっても、それが励みになって頑張れる』
と言っておりました。

資産形成をしているので、クライアント様は自分にストレスのかかる転職などをしなくても良いと判断している、ということです。

この話を聞いた時に、私自身もなるほど!と思いました。

また一つ、クライアント様に教えられた経験でした。

仕事をする理由はお金が全てではない、という意見には私も同感です。

だからこそ、自分にとっては働きやすい職場環境で仕事を続けていくために、資産形成について学んでみてはいかがでしょうか。

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